2014年2月10日月曜日

レクサスGS-Fの馬力でブランドの命運は決まる?

  レクサスはおそらく正しい道を進もうとしているのに、周りの雑音が相当にうっとおしいと感じています・・・フラストレーションの溜まる展開。全く以て上から目線で失礼は承知の上ですが、このクルマにはこれまでにない高い関心があるので、まあ勘弁してほしいです。レクサスが日本に上陸して以来、個人的にはこのブランドへの興味が最高潮を迎えているのです。

  私自身このクルマのコンセプトの裏には「BMW M5」という存在はハッキリと感じます。おそらくこのクルマに関してイラつかせるコメントを発しているプロライターのほぼ全員が同じことを感じていることでしょう。全く理解できない彼らの主張を要約すると「レクサスGS-Fというハイパワーモデルが発売される。焦点はライバルに肩を並べる500ps以上のスペックを誇るかだ。」みたいなヤツです。素人が失礼を承知で言わせてもらえば・・・「黙ってろ!」。

  560ps(ハイパワー版は575ps)を誇る現行M5を否定する気はありませんが、わざわざコピーする価値があるかというと・・・はっきり言って「ない」です。ジャガーFタイプのV8スパチャーやポルシェ911ターボSなどもそうですが、なんでそんなにムキになって550psとか無茶な出力を追い求めるのでしょうか? 常識的に考えて、シャシー剛性でテッペンの性能を誇る日産のスカイラインのプラットフォームでも600ps出されると耐久性に不安が出てきます。一般公道で使う領域なんてせいぜい200ps以下で十分に収まるはずです。

  欧州のセレブが興じるワンメーク・レースに「レクサスGS」の需要なんてあるわけないでしょうから、サーキットでの使用は最初から考えなくていいのではないかと思うのです。メルセデスやBMWとはブランドの意味合いが違うのに、無理して550psなんて出していたら完全に笑い者です。お隣の国のメーカーではいよいよ600psクラスのスポーツセダンに着手したようですが、賢明なトヨタ(レクサス)の経営者&開発者はそんな愚かなことはしないはずです。それを知ってか知らずかわかりませんが、勝手な発言を繰り返すカーメディア&ジャーナリストはハッキリ言って「癌」ですね・・・。

  480psのGT-Rが最初に設計されたとき、最高のパフォーマンスを発揮するための消耗品の耐久性が大きな問題になったそうです。GT-Rは水野さんが海外のセレブにサーキットで使ってもらえるクルマを作りたいという夢を実現したクルマなわけですが、それが必ずしも日本のクルマ文化に合致しているとは言えないわけです。400psから500psに変わるだけで、維持費が桁違いに跳ね上がってしまうわけです。そんなことはトヨタの開発者も百も承知で、レクサスLS600hにしてもいくらでも出力は上げられるけれども約400psに抑えて実用性を重視した高級セダンに仕上げているわけです。

  水野さんの孤高のスピリッツと才気を存分に生かして世界最速のクルマを作り、日本の自動車業界の存在を知らしめることは確かに有意義だと思います。しかしレクサスIS-Fのように大排気量NAエンジンで400psを確保し、それほど法外な維持費を必要としないけど「スペシャル」な存在と言えるクルマを作るのもまた、クルマ文化を豊かにしていく上で重要なことだと思うのです。よってGS-FやRC-Fにもぜひに5LのV8NAエンジンで登場してもらいたいです。

  BMW M5がホットだったのはやはり約400psのE39系のころだったと思います。現行のF10系に至ってはスーパースポーツカーのライバルと比較されることもほとんどなく、注目度も低くなっています。バブル期とは違ってニーズが見出しにくいのもあると思いますが、クルマ自身の魅力にも大きな問題があるのでは?と思う次第です。


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