2014年3月18日火曜日

レクサスRC-F 期待・不安・ジレンマ

  レクサスというのは徹頭徹尾アメリカ市場を念頭に置いたブランドなんだなと改めて感じるのが、今年発売されるレクサスRC-F。アウディも慌てて「RS」シリーズを揃えましたが、どうやら450ps前後のDセグスポーツクーペという市場がアメリカでかなり熱いようで、レクサスもトヨタの威信を賭けてこのジャンルで再び勝負を挑みます。

  とくに北米で「プレミアムブランド」として展開されるブランド間での争いは熾烈で、ジャーマン3以外にも新たにキャデラックATS-Vクーペがこの戦いに参戦するみたいです。「V」と聞いてGMが誇る6.3LのV8スパチャー(564ps)を搭載するのかと思いましたが、どうやら3.6LのV6ターボ(420ps)に落ち着くようです。V8、直6、V6とライバルモデルのエンジンもバラバラの中でレクサスRC-Fはどういった評価を得るのか?

  レクサスのスペックはまだ公表されていないようですが、一部メディアによると5.0LのV8NA(470ps)に仕上がるようです。また大きな特徴としては、ドイツ勢3台(M4、RS5、C63AMG)と比べると最も全長が長いのに、ホイールベースは最も短いというやや「極端」な設計になっていることです。もちろんベース車がそういう設計だったわけで、乗り心地優先のレクサスの設計が根底にあります。ただしホイールベースを詰めた設計は、単純に考えるとハンドリングには有利。ライバルに比べてスポーティさを主張するポイントになりそうです。

  「DTM」vs「スーパーGT」という構図がこれから日独のツーリングカーの底上げにどれだけ貢献するのかわかりませんが、RS5、M4、C63AMGがぶつかる「DTM」に比べて、去年までGT-R、NSX、レクサスSCがメインで争われる「スーパーGT(GT500)」は市販車がGT-Rのみというやや歪なツーリングカーレースでした(トヨタもホンダもクルマが無い!)。レクサスRCが今年のシーズンから投入されて状況は改善されてはいますが、ホンダにもアキュラの日本導入を決定して市販モデルによる参戦を期待したいですね。

  何と言っても今年から参戦の「レクサスRC」ですから、ドイツ勢に比べれば完成度・熟成度を求めるのは酷なことです。そもそも「スーパーGT」自体が「DTM」のマネにしか見えない点も気になります。盛大なスポーツイベントは日本で開催するけど、そのクルマを日本の公道では満足に楽しむことができないという窮屈な環境は今後も変わらないでしょうね・・・。

  GT-Rの水野さんも言っていましたが、日本では公道での開発テストも満足に許可されないので、高性能車の開発は事実上不可能になっているそうです。ホンダもNSXの開発拠点を北米に移していますし、日産の次世代高性能クーペになるインフィニティQ100も海外拠点で行われているようです。スバルの「WRX」もマツダの「MSアテンザ」も北米ですね・・・。




  
  
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