2014年3月25日火曜日

レクサスIS350のテストがやっと雑誌に載った・・・そしてBMWをフルボッコ!

  もう発売から1年近くが経とうとしているこのタイミングがすでに微妙なんですが、やっとテスト大好き雑誌による「レクサスIS350」の比較テストが行われました。なぜもっと早くやらないの?という憤りが・・・。せっかくトヨタが欧州プレミアムを「全部まとめてぶっ潰す!」と発表したレクサスISの最上級モデルなのだから、その実力を知らしめてあげるのがメディアの役割じゃ・・・。

  もしGMやらフォードが、「日本車もドイツ車も完全に超えた!」と高らかに宣言して日本に新型車を投入したら、速攻でテストに持ち込むと思うんですよ・・・。なぜに日本シェアナンバー1の巨大メーカーが無視されるんだ? そりゃ確かに直4が主流になってしまったBMW3やメルセデスCでは比較するグレードが選びにくかったのは確かでしょう。BMW3の6気筒NAは日本では発売されていませんし。

  レクサスIS350の完成度はDセグでは圧倒的に高く、テストやるまでもなく圧勝するのが目に見えています。あくまで私の想像ですが、IS350の前にコケにされるクルマのブランドと雑誌社の間に何らかの密約があったのではないか?と勘ぐりたくなります。「消費税増税前の商戦が終わるまで掲載を待ってください」みたいな・・・。

  さて「生け贄」に選ばれたのはBMW328i。IS350の1630kgよりも90kgも軽い1540kg。さすがは直4ターボで身軽になった分と、レクサスISがF30を軽く超えるレベルの剛性を手に入れたことによる「90kg」です。しかしこの90kgが全ての面でIS350と328iを分けてしまったようです。それにしてもここまで完膚なきまでにやられるのもまあ珍しいことです。IS350の方が価格が安いくらいなのに・・・。

  加速に関してはそれほど大きな差がないかもしれません。328iも低速トルクと軽量なボディを生かしてかなりいいタイムを出していましたが、80kmから先の高速域ではタイムは離れるばかりでIS350の完勝。NAとターボが争えばこんな決着も妥当なところではあります。

  それよりもさらにBMWにとってショッキングな事実が、「ブレーキ性能で完敗!」でしょうか・・・。100km/hからのフルブレーキングが40.8mの328iはクラス水準でいくと完全に並み以下!なにが「ドイツ車は走る・止まる・曲る」がしっかりしているって本気か? そんな相手なのでIS350の40.0mが特段スゴい数字ではないです。

  レクサスIS350の性能が一番発揮されたのが、先代から比較して究極なレベルにまで追求された「静音性」のようです。比較相手の328iが可哀相になってしまうくらいにガチのレクサス陣営。笑ってしまったのが、アイドリングのIS350は、アイドリングストップしている状態(エンジンが止まっている)の328iよりも静かだという事実。もはや直4ターボだからうるさいわけではなく、ボディの設計能力に大きな違いがあることを証明してしまった。

  さらに乗り心地も断然にIS350が良いわけで、ここまで完璧なまでの完全勝利はなかなかお目にかかれません。トヨタの気合いをひしひしと感じる結果になりました(まったくの予想通りでしたが・・・)。これほどの大差がついておきながら、「欧州プレミアム勢の牙城をどこまで打ち崩せるか?」という意味不明な総括が日本の雑誌らしい・・・。


2014年3月18日火曜日

レクサスRC-F 期待・不安・ジレンマ

  レクサスというのは徹頭徹尾アメリカ市場を念頭に置いたブランドなんだなと改めて感じるのが、今年発売されるレクサスRC-F。アウディも慌てて「RS」シリーズを揃えましたが、どうやら450ps前後のDセグスポーツクーペという市場がアメリカでかなり熱いようで、レクサスもトヨタの威信を賭けてこのジャンルで再び勝負を挑みます。

  とくに北米で「プレミアムブランド」として展開されるブランド間での争いは熾烈で、ジャーマン3以外にも新たにキャデラックATS-Vクーペがこの戦いに参戦するみたいです。「V」と聞いてGMが誇る6.3LのV8スパチャー(564ps)を搭載するのかと思いましたが、どうやら3.6LのV6ターボ(420ps)に落ち着くようです。V8、直6、V6とライバルモデルのエンジンもバラバラの中でレクサスRC-Fはどういった評価を得るのか?

  レクサスのスペックはまだ公表されていないようですが、一部メディアによると5.0LのV8NA(470ps)に仕上がるようです。また大きな特徴としては、ドイツ勢3台(M4、RS5、C63AMG)と比べると最も全長が長いのに、ホイールベースは最も短いというやや「極端」な設計になっていることです。もちろんベース車がそういう設計だったわけで、乗り心地優先のレクサスの設計が根底にあります。ただしホイールベースを詰めた設計は、単純に考えるとハンドリングには有利。ライバルに比べてスポーティさを主張するポイントになりそうです。

  「DTM」vs「スーパーGT」という構図がこれから日独のツーリングカーの底上げにどれだけ貢献するのかわかりませんが、RS5、M4、C63AMGがぶつかる「DTM」に比べて、去年までGT-R、NSX、レクサスSCがメインで争われる「スーパーGT(GT500)」は市販車がGT-Rのみというやや歪なツーリングカーレースでした(トヨタもホンダもクルマが無い!)。レクサスRCが今年のシーズンから投入されて状況は改善されてはいますが、ホンダにもアキュラの日本導入を決定して市販モデルによる参戦を期待したいですね。

  何と言っても今年から参戦の「レクサスRC」ですから、ドイツ勢に比べれば完成度・熟成度を求めるのは酷なことです。そもそも「スーパーGT」自体が「DTM」のマネにしか見えない点も気になります。盛大なスポーツイベントは日本で開催するけど、そのクルマを日本の公道では満足に楽しむことができないという窮屈な環境は今後も変わらないでしょうね・・・。

  GT-Rの水野さんも言っていましたが、日本では公道での開発テストも満足に許可されないので、高性能車の開発は事実上不可能になっているそうです。ホンダもNSXの開発拠点を北米に移していますし、日産の次世代高性能クーペになるインフィニティQ100も海外拠点で行われているようです。スバルの「WRX」もマツダの「MSアテンザ」も北米ですね・・・。




  
  
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2014年3月11日火曜日

レクサスISは見事に輸入車を駆逐した!

  発売からまもなく1年が経過しようとしていますが、新型レクサスISは着々と売れいてるようで街中でもよく見かけるようになりました。レクサスの控えめなプロモーションのせいか爆発的に売れるというでもなく、まあ価格を考えるとそれほど大動員できるわけないです。近年ではDセグセダンは欧州でも日本でも「プレミアムカー」が大人気なようで、割と理性的な価格で買えるこのクラスは縮小する市場でも堅調なようです。

  それで2013年のプレミアムDセグの売上を見てみると、レクサスIS発売以降はBMW3とメルセデスCに勢いがなくなり、アベノミクスの後押しも虚しく、BMWが横ばいでメルセデスは大幅値引きでFMC前に捌いたそうです。このクラスになると金額が高いので当たり前でしょうが、ドイツ車でもレクサスでもいいお客はこれらを乗り比べて選びます。不思議な事にベテランのクルマ好きだろうが初心者だろうがレクサスISに軍配を挙げてしまうというトヨタの新しい「二枚腰」な乗り味が絶妙なデザインと相まって有利に働いたのでしょうか。

  レクサスの新しいダンパー(GSとISのものですが)は後ろから走りを見ているだけでも、とても高性能な動きをします。ドイツ車のように固くもなく、クラウンのように柔らかいくもないのですが、外から見てると入力後の減衰がしなやかだけれども瞬時に押さえ込まれる動きをしているのが分かります。ポルシェやBMWアルピナなどを見てると、太いタイヤの安定感で入力そのものを押さえ込みつつも、僅かに震えるリアがなかなかトゲトゲしい乗り味を出しています。スバルやマツダなども基本的にはこの方向性なので、レクサスはまた別次元に感じられます。

  レクサスISのライバルとされる現行の3シリーズはランフラットタイヤの乗り心地に慰問を呈するユーザーの声は大きく、日本仕様は足回りを緩くしたり、北米仕様ではランフラットタイヤの標準装備自体を止めてしまっています。タイヤに関してはさっさと交換してしまえば済む話なんですが・・・。DIYのBMWユーザーに対して、何でもかんでも快適で優越感に浸れるディーラーに任せっきりのレクサスユーザーですから、メーカーが最初から気を利かせてタイヤを付けてあげる必要があるのかもしれません。

  もともとクルマ好きはBMWへ行き、クルマのことがよくわからない人はレクサスへ行くという棲み分けがなんとなく成立していて、レクサスISの満足度が単純に上がったから販売も好調になり、クルマも相当に良くなったのでクルマ好き層もレクサスへ移る人も現れたとなれば、レクサスISは大成功を収めたクルマと言ってもいいですね。

  さてレクサスISのライバルとして高級車路線を突き進む日産スカイラインを見かけるようになりました。こちらは先代のデザインにどことなく似ている気もするのですが、やはりかなりワイドになった印象があります。日産ディーラーがある通りだったので試乗車ではないかと思いますが、運転に慣れない様子でブレーキングで大きなピッチングを起こしていました。HVによる大トルクが原因なのか、トータルの馬力が有り過ぎるのが原因なのか、はたまた高級車路線に邁進し過ぎたための乗り心地重視のクラウン的なサス設定なのか。それとも単に車重が有り過ぎただけか・・・。

  そしてこのクルマもなにやら新しい「減衰」を身につけているように感じました。日産の得意な電制制御がなにかしら作動しているのでしょうか?やたらと機械的な押さえ込みを図っているように見えました。これまでの同サイズのセダンとは明らかに違う挙動のように感じました。これは乗りにいかなきゃいけないですね、ハイテクだそうですし・・・。





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2014年3月4日火曜日

レクサス・ジャガー・マセラティ 「ワゴンなんて二流ブランドが作ればいい」

  1台目はセダン。2台目にSUVかスポーツクーペ。1人のオーナーが同じブランドの2台で揃えるくらいに愛して止まない「スーパープレミアムブランド」。そんな存在へと自身を投影させそこに向かって順調に歩みを進めるブランドが「レクサス」「ジャガー」「マセラティ」。1台で2〜3役割を掲げるドイツのプレミアムブランドはもう古い。これからは週末に2シータークーペを思う存分に楽しむために、普段使いの高級セダンに求められるものは変わる。直4ターボで軽快さなんて笑止千万。ジャガーは・・・。

  BMWには傘下に上級車ブランドのロールスロイスがあるし、アウディにも同グループにベントレーがあるわけですが、「レクサス」「ジャガー」「マセラティ」はドイツの自動車グループによってそれぞれ組織されたブランド群へ対抗する為に、大幅な車種拡大戦略を実行中です。ただ正直言って歯痒いのは「レクサス」ですかね。これまでプレミアムブランドとして人気を博してきたメルセデス・BMW・アウディの勢いが完全に止まり、これらの顧客はマツダ・スバル・フォードの「ネオ・プレミアム」ブランドに喰われるか、マセラティ・ジャガーといった復活した「スーパープレミアム」に持って行かれるなど世界的に苦戦が目立つ。

  そんな中、レクサスの動きはLSのラインナップを拡充する「スーパープレミアム」路線というよりは、ドイツプレミアムの後追いといった印象がある。それでもHVを中心とした独自のブランドイメージは十分に新鮮で、ドイツでこそ苦戦していますがそれ以外の欧州諸国では縮む市場をものともせず堅調な伸びを示している。その上を行く確実な進化を、ドイツを含む欧州全域で見せているのが「マセラティ」と「ジャガー」。

  この2つのブランドの基本戦略は明快そのもの。全ラインナップをマセラティ的なクルマ、ジャガー的なクルマだけで満たした上で、シェア拡大を狙って新型車を導入するという当たり前のことなのだが・・・。どちらも最大にタブー視しているのが、ライバルブランドと同じようなクルマを作ること。ドイツ車のフィールドであるGTカーをまともに作って、ドイツブランドとやり合ったところで勝ち目は薄く消耗戦になりやすい。ならばドイツブランドが下手くそなところを自ブランドの売りとしてハッキリ示してやればいい。マセラティもジャガーもここの部分の塩梅が絶妙で、そのフラッグシップのセダンは見るだけでため息が出る。これを見せつけられて、それでもアウディA8やBMW7が欲しいという人は少ないのも当然か。

  家族やパートナーとの大切な時間を過ごすためのクルーズカーを「クワトロポルテ、XJ、LS、7、A8、S」から選ぶならば、上位3つは恐らく「スーパープレミアム」が独占し、「ドイツプレミアム」でここに食い込めるのは新型Sくらいなものだろう。赤坂や六本木界隈の地下駐車場で人気があるのは断然に「クワトロポルテ、XJ、LS」の3台。ドイツ勢はどう足掻いても二流でしかない!という考えが明確にそこには存在している。結局のところドイツ車には「洗練」という形容詞は正確ではない、あくまでど田舎をドヤ顔で快走するためのクルマでしかない。世界最先端の東京の真ん中で乗るにはあまりにも粗野でイモ臭い。

  後ろから追従して走っているだけでも、ドイツプレミアムとスーパープレミアムの洗練度の違いはとても良くわかる。BMW6もかっこ良くなったポルシェ991型911もそこから感じるものは、やはりドイツ車の枠内での最高水準に過ぎない。マセラティやジャガーが醸し出す別次元のリアビューにはやはり遠く及ばない。レクサスはどうか・・・。デザインはイマイチだけども新しいレクサスはリアを一度ストロークさせるだけで、どこのブランドにも見られない高貴な動きで魅了してくれる。新型のGSやISを後ろから眺めているとトヨタが目指す新しい高級車像が見える。道路の凹凸に反応してリアサスが振動するがその止め方が新しいレクサスは目に見えて凄い。いかにも固さだけで押さえ込むポルシェやBMWとも違うし、クラウンのようにおおらかに数回躍動する旧来の日本式とも違う。

  上下の入力があったあとsinカーブのように上下動で「いなし」に入るが、その振り幅はみるみる小さく減衰し、1周期もしない内に見事に押さえ込まれる。これはいままでのどんなクルマにも見られない革新的なリアサスの動きだ。かなり過度な入力でも2周期目には絶対に突入しない。もちろん不可視レベルでは数周期の減衰を経ているのだろうけど、これがボディとサスの剛性でドイツ車を軽く抜き去ったレクサスの力か? 

  スポーティなサスの動きとも違うし、エアサスのような乗り味重視でもない、レクサスだけの特別なスタイルがそこには確実に存在するのだ。あれを見せつけられただけで、FRセダンならばレクサス>BMW、メルセデスと断じてもいい。メルセデスCLSのキャビン後方がゆさゆさする後輪サスのヘタレっぷりと比べるまでもない。BMWの強引すぎる減衰っぷりは好みの問題だろうか。なぜこれほどのレクサスの新境地がそれほど語られないのか・・・残念なことだ。


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