2014年1月16日木曜日

メルセデスCクラスは予想外の進化でレクサスISを喰うか?

  前回のつづき(前回の記事はコチラ)

  DセグのFRサルーンが生き残るために取るべき現実的選択の1つ目は身もフタもない「FF化」でした。そして2つ目はメルセデスやBMWが採っている「軽量化してダウンサイジングターボ」を使うというものです。しかしこの方法ではかつての6気筒時代にドイツ車が誇った車体剛性も同時に失われてしまいます。

  そして最後の3つ目が、車重を重いままにして車体剛性をさらに高め、HVによる高性能ユニットを使って加速と燃費を両立させるものです。これはレクサスと日産が積極的に取り組んでいるもので、ISに続いてFMCを迎えるスカイラインも主力ユニットがHVに移行する模様です。これによって、ISとスカイライン(インフィニティQ50)は10km/Lを軽く確保
できる燃費を誇りつつ、車体剛性の高さを競うことになり、ドイツ車を蚊帳の外に置いたハイレベルな戦いになることが予想されます。

  レクサスISとインフィニティQ50はどちらもDセグサルーンの最高峰を確実に視野に入れた妥協のない開発が行われていて、EセグFセグのクルマと比較しても遜色がないほどです。どちらも従来のDセグサルーンが抱えていたネガティブな要素を打ち破り、新たなDセグサルーンとしての高みに到達しつつあります。ISに関しては3燃費重視の300hではなくて、V6を使った450hの投入が待たれますが・・・。それでもIS350はドイツ車をまとめて駆逐するほどの輝きがあります。

  そんな新型レクサスISがなかなか日の目を見ないのは残念なことです。年末発売のカーグラフィックがCGアワードで錚々たる顔ぶれのノミネート12台の中で、堂々の第3位に選ばれたので少し溜飲を下げましたが、どこかよそよそしいプロライター達のコメントがCG以外の雑誌では飛び交っています。総じて感じるのがレクサスという新興プレミアムブランドに対するある種の不信感が根底にあるのではないかということです。

  トヨタが悲壮なる決意でレクサスのラインナップに手を加えたことで、少なくとも現行のLS、GS、ISはメルセデスやBMWの対応モデルと比較すると、もはや互角どころか優勢といえる段階にまで達しています。しかしそのことがレクサスが誕生するよりずっと前から評論家をやっていた大御所ライター達にとっては面白くないようです。時間が経てばある程度は解消されるでしょうが、今のところはGSもISも完全無視を決め込むライターが多い気がします。

  そんなレクサス嫌いなライター達を歓喜させるようなクルマが「打倒レクサス」を掲げて早くも発表されました。新型メルセデスCクラスは、レクサスやBMWの陰に隠れてデザイン面もスペック面もやや地味だった現行Cクラスからの大きな飛躍を目指し、現在メルセデスが持っている全てのテクノロジーを惜しみなく注ぎ込んでいる様子がわかります。廉価な直4ターボだけでなく、メルセデスが用意しているあらゆるレンジのパワーユニットがあらかた持ち込まれるそうで、今後追加されるものも合わせるとV6もV8もディーゼルもHVも何でもありの選びたい放題のようで、この点でISよりもユーザー目線で素晴らしいです。

  さらにトヨタが出し惜しみしているものを、メルセデスは今回全て出してきました。レクサスや日産を超えるためには、一切の躊躇いはいらないとばかりに、「エアサス」や「インテリジェント・ドライブ」といったSクラス専用の装備をオプションながら用意するほどの意気込みです。誰もが認めるブランド力を持つメルセデスにここまでやられると、レクサスISやインフィニティQ50がいくら良いとはいえ、存在が霞んでしまいます。さてレクサスISも対抗してLS専用の「エアサス」や「特殊内装」を後付けで盛り込んでくるでしょうか?

 

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