2013年9月13日金曜日

「LF-NX」は無かったことにしてもいいですか?

  あんまりネガティブなことを書くブログではないのですが、今回ばかりは激励の意味を込めて断腸の想いで率直な感想を綴りたいと思います。レクサスの次世代コンパクトSUVである「LF-NX」が公開されました。最近のレクサスは「攻めている」のは重々承知していますが、このLF-NXのデザインに関しては完全に火薬の量を間違えてますよね。あまりの破壊力の凄まじさに、私を含めた傍観者の美的基準では推し量れないだけでなく、頭の中が一瞬真っ白になって、「クルマって何だっけ?」くらいの軽い記憶喪失を引き起こすほどです。

  しばらくして冷静さを取り戻しても、なぜこのデザインがレクサスとして承認されたのか全く理解できません。モリゾー社長自ら陣頭指揮を取って作った結果がこれで、誰も文句を言えなかったのでは?と深読みしてしまいそうです。これほどの「難解」なデザインにはそうそうお目にかかることはないのですが、レクサスが作ったとなればよ〜く考えれば、それなりの「意図」が見えるのではないかと思い、意地になって考えましたがさっぱり納得が行きません。新型ISは見た瞬間に良さが解ったのですが・・・。


  おそらくデザイナーは現代人の脳内を投影しきることで、都市型SUVの隔世感のある近未来デザインへと変換したのではないかと思います。それはどういうことかというと、簡単に言うと「痛車」を作ることです。アニメが描かれる前から、すでに「痛車」くらいのインパクトがあります。しかもブツける前から至る所がボコボコにヘコんでいます。おそらくレクサスのデザイナーの意図は、既存のつまらないデザインへのアンチテーゼをデザインの魅力に組み込んでいます。

  アパレルにくらべて、クルマのデザインはまだまだ保守的です。仮面ライダーがプリントされた靴を喜んで履くのは、本当に小さな子供だけでしょうか? キャラクターがプリントされたT-シャツはもっと広く市民権を得ています。ましてや今や子供以上に大人が漫画を熱心に読む時代です。そうなると「シャア専用オーリス」もごくごく自然な流れなのかもしれません。

  あくまで私の意見ですが、クルマはそれ自体が偉大なカルチャーなので、他のカルチャーに安易に迎合すべきではないと思います。過去の歴史において幾多の名ブランドは、どんな困難(オイルショックなど)があろうとも、クルマ自体の魅力を最大限に切り開いてその文化を発達させてきました。もしレクサスがそれらのブランドと肩を並べるという大志を抱いているというなら、アパレルや家電製品のように主体性を失うことがあってはいけないと思います。



   ↓団塊ジュニア世代を席巻したガンダムを連想させるクルマも多いですね。ホンダ・スバル・メルセデス・・・
  

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